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精密根管治療Endodontic
根管治療を成功させるために
根管治療は、とても難易度の高い処置であり、一般的な成功率は50%程度にとどまります。治療の性質上、処置を完了しても再発するリスクが極めて高いものなのです。当院では、そんな根管治療の成功率を上げるために、さまざまな取り組みを実施しております。
当院の根管治療の特徴
Point1.マイクロスコープの活用
「見えない」ものを「見える」ようにする
根管内は、とても狭く、暗く、複雑な構造を呈しています。肉眼ではその入り口程度しか確認することができません。歯科用顕微鏡であるマイクロスコープを用いれば、最大で肉眼の20倍程度まで視野を拡大できます。その結果、見えなかったものが見えるようになり、より精密な処置が可能となるのです。
Point2.ラバーダムの使用
「無菌的処置」の徹底
根管治療は、根管内を無菌状態にすることが目的ですが、処置の最中に唾液などで汚染されかねません。そこで有用なのがラバーダム防湿です。治療する歯のみをゴム製のシートで覆うことで、根管内への唾液の侵入を防ぎます。器具の落下防止や周囲組織の保護にも役立ちます。アメリカ歯内療法学会のガイドラインでは必須となっている処置ですが、日本で実施している開業医はほんの一握りに限られます。
Point3.ニッケルチタンファイルの使用
高い柔軟性によって根管を傷つけない
ファイルとは、根管内を清掃する際に用いるヤスリのような器具です。一般的にはステンレス製のファイルを用いるのですが、柔軟性の高いニッケルチタンファイルを併用することで、根管治療の精度が高まります。根管内にファイルを挿入した際、しなやかに曲がり、複雑な根管形状に追従するよう作られているので、確実性が高まります。
Point4.MTAセメント
根管治療の成功のために
MTAは、近年注目されている歯科用セメントです。MTAには、多くの性質があるなかで、特に生体親和性が高い、つまり人体に馴染みやすいことと封鎖性が高いことが歯の保存に大きく関係します。
神経をとる前の歯であれば、歯の神経を残すことに、神経をとった後の歯であれば、歯の寿命を延ばすことに有効であり歯内療法、根管治療の成功の強い味方です。
Point5.歯根端切除術
難治化した根尖性歯周炎への対応
通常の根管治療では治すことのできない難治性の根尖性歯周炎に適応される治療法です。病巣が存在する根尖部を外科的に切除します。その結果、歯を保存することが可能となります。
この処置もマイクロスコープを用いることで処置の確実性を上げています。
Point6.歯科用CTの使用
診査・診断にかかせない精密検査
歯科用CTは2次元のレントゲン撮影と違い、治療部位を立体的にあらゆる方向から見ることが可能です。
これまでの2次元の平面的な画像では、審査・診断に限界がありましたが、CTによる3次元画像は、複雑な根管や病変をより詳細に教えてくれる有効なものです。
特にレントゲンでは見ることが不可能だった歯の水平的な断面図は根管治療に絶大な影響を与えてくれます。
根管治療とは?
根管治療とは、細菌に感染した歯髄を取り除き、根管内をきれいに清掃する処置です。歯髄は歯の神経と血管から構成されており、歯の根の先から顎骨へとつながっています。根管内や根尖の病巣を放置すると、顎骨炎などさまざまな病態へと発展するため、適切な処置が必要となるのです。
歯髄炎
虫歯や何らかの影響で、歯の神経に炎症が起きた状態
歯髄と汚染物を除去、根管内を消毒・洗浄
根管内を薬剤で封鎖
土台を築造して被せ物を装着
根尖性歯周炎
細菌感染などが原因で、歯の根の先の歯周組織に炎症ができた状態
被せ物や土台を除去し、根管内を清掃、消毒
根管内を薬剤で封鎖
土台を築造して被せ物を装着
根管治療の重要性
根管治療は、歯を長持ちさせるための基礎工事です。根管治療が不十分だと、根管の再感染や虫歯の再発率が上がり、せっかく入れた被せ物を外さなければならなくなります。
何より歯の寿命が縮まることから、再治療を可能な限り減らす必要があります。当院の精密根管治療であれば、それが可能です。
根管治療が難しい理由
根管治療の成功率が低い理由は、以下の2点に由来しています。
根管が複雑で100%清掃するのが困難
根管は、木の根っこと同様、複雑に分岐しています。外からの刺激も受けやすいことから、繊細な処置が求められます。それだけに、根管内を100%清掃することはほぼ不可能です。ただし、歯を残すための最後の砦でもあるので、可能な限り100%に近づけなければなりません。
必要とする器材・設備が多い
根管治療の精度を上げるためには、さまざまな器材や設備が必要となります。しかし、我が国の健康保険制度においては、根管治療に対する評価が低すぎるため、本来必要な設備や器材を用いることができないのです。その結果、根管治療の成功率が下がっているともいえます。