左下の奥歯を他院で抜歯した患者様
そのまま放置していたそうで、このたび当院にてインプラント治療を受けていただくこととなりました
初診時 パノラマレントゲン画像
パノラマレントゲン画像でも、お口の中を拝見しても
抜歯して時間が経ってますので、骨、歯肉の状態は落ち着いていて問題なし
シンプルな術式での埋入手術を計画しました
下顎の大臼歯部のインプラント治療で注意するポイントは
下歯槽神経、下歯槽動脈、下歯槽静脈が中を通る、下顎管です
下のレントゲン画像で赤く示したものが下顎管です
赤いラインが下顎管
インプラント治療で、この下顎管を傷つけると
術中に多量の出血があるだけでなく、下歯槽神経損傷をきたし、下顎及び下唇の麻痺や知覚鈍麻がおきます。
当院では、インプラント治療をする際には、このパノラマレントゲンだけでなく、CTレントゲン撮影を必ず行い、三次元的に下顎管の位置を把握し、埋入の際の安全を確認してからの手術となります
下顎管までの距離が短い場合は、ひとつ短いインプラントを選択したり、必要に応じてGBRと呼ばれる骨造成を行います。
この患者様は、下顎管までの距離が十分にあったため、骨造成を行う必要もなく、単純埋入のみでした。
使用したインプラントは
Straumann社製 BLT Ø4.1mm RC SLActive の10㎜
抜歯するときと同じ、局所麻酔下での無痛オペです
今回の手術時間は30分ほど
患者様は痛みがなかったこと、手術時間の短さに驚いておられました
埋入後パノラマレントゲン画像
理想的な位置に埋入することができました
インプラントが骨にしっかりと結合し、固定されるまで1〜2ヶ月待機し、仮歯で審美性、機能性を確認した後
オールジルコニアクラウンの上部構造が入りました
最終上部構造セット後パノラマレントゲン画像
先日、メンテナンスにお見えになった患者様に、インプラント治療の感想をお聞きしたところ
『歯ができたら、こんなに噛みやすくなるとは思ってなかった。歯が1本ないだけでも不自由な生活をしていたんですね。実感しました。インプラント治療してよかった。』
という言葉をいただきました。
当院では、噛めるということにこだわり治療を行なっています
身体の一部として長く機能するインプラント治療は、歯を失った際の治療法として有効だと考えています
快適な口腔環境を整えるお手伝いをさせていただきますので、お気軽にご相談ください
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