入れ歯が安定しない方へ「インプラントオーバーデンチャー」という選択肢

「入れ歯が動いてうまく噛めない」「会話中に外れそうで気になる」――そんなお悩みはありませんか?

当院では、これらの問題を解決する方法として、インプラントオーバーデンチャー(IOD)という治療をご提供しています。これは、数本のインプラントを土台にして、入れ歯をしっかりと固定する新しいスタイルの入れ歯です。

インプラントオーバーデンチャーとは、2〜4本のインプラントを顎の骨に埋め込み、その上に入れ歯を安定させる治療法です。入れ歯自体は着脱可能で、日常的なお手入れも簡単です。

従来の総入れ歯は、粘膜の吸着や義歯安定剤に頼っているため、どうしても動きやすさや違和感がつきものでした。しかし、インプラントでしっかりと固定することで、「しっかり噛める」「話しやすい」「外れにくい」といった大きなメリットが得られます。

✅ メリット

  • しっかり噛める:入れ歯が動かないので、硬いものも噛みやすくなります。
  • 会話がしやすい:発音のしやすさが向上し、話すときの不安が軽減されます。
  • 見た目が自然:義歯の設計自由度が高く、審美的にも優れています。
  • 骨の吸収を防げる:インプラントが咬合力を骨に伝えるため、顎骨の吸収を抑える効果があります。
  • 費用を抑えやすい:固定式インプラントと比べて、必要な本数が少ない分、費用負担も軽減されます。
  • 対応の範囲が広い:インプラントを埋入する本数が少ないので、骨が少ない方にも適応範囲は広がります。

⚠️ デメリット

  • インプラント手術が必要
  • 顎の骨量や全身状態によっては適応外の場合もある
  • 維持管理(清掃・定期メンテナンス)は継続的に必要

  1. カウンセリング・精密検査:CT撮影・模型作成など
  2. インプラント埋入手術:2〜4本が一般的です
  3. 治癒期間:通常2〜3ヶ月間、骨とインプラントが結合するのを待ちます
  4. 義歯の作製・装着:当院ではロケーターと呼ばれるアタッチメントで義歯と連結
  5. 調整とメンテナンス:咬み合わせやフィット感を確認しながら最終調整

Q:高齢でもインプラントオーバーデンチャーは可能ですか?
A:全身状態に問題がなければ、高齢の方でも可能です。オーバーデンチャー自体が広範囲の義歯に対しての適応となってきますが、そうした広範囲の義歯の方の多くはご高齢です。

Q:取り外しは自分でできますか?
A:はい。着脱はとても簡単で、慣れれば問題なく行えます。自分でできるように、クリニックで練習して頂きます。

Q:お手入れは難しいですか?
A:入れ歯は外して清掃するため、むしろ清潔を保ちやすくなります。

Q:費用はどれくらいかかりますか?
A:インプラントの本数や骨の状態によって異なります。カウンセリング時に詳しくご説明いたします。

では、当院で行なった、インプラントオーバーデンチャーの症例をご紹介します。

まずは、初診時のレントゲン写真と、口腔内写真です。

見ていただくと分かるように、むし歯や歯周病で抜歯は必要になっている歯が複数本あり、特に下顎は残された1本も抜かなければならず、どうしても総義歯になってしまいます。

この患者様は、最初は保険の範囲内で義歯をお作りし、使って頂きました。しかし、下顎の顎堤の減少が大きく義歯が不安定で噛みにくいとのことでした。

補足として、顎堤とは、歯がなくなった部分に残る歯ぐきと骨の盛り上がった部分のことです。入れ歯を安定させるときの土台の役割をします。顎堤がしっかりしているほど、入れ歯も安定しやすくなります。

ですので、義歯を利用したインプラントオーバーデンチャーをご提案しました。こうした場合、ALL-ON4、ALL-ON6と呼ばれるインプラントで固定式の歯を作る方法を提案することが多いのですが、今回の場合は顎堤の吸収に伴い、顎骨の吸収も大きかったので、インプラントを埋入するだけの骨量がなく、また骨造成を行うことも身体的負担が大きいことと、治療期間が長引くことから検討はしませんでした。

インプラント埋入後のレントゲン写真をご覧ください。

下顎の前歯部にのみ骨量がありましたので、そこを狙っての埋入が行えました。

インプラントが骨に固定されるのを待ち、インプラントにロケーターアバットメントと呼ばれる固定装置を取り付け、義歯にも対応する固定装置を取り付けました。

このインプラントオーバーデンチャーが固定される仕組みを簡単に説明すると、衣類のスナップボタンです。

写真の青色の部分が、義歯に取り付ける固定装置です。

パチっと義歯をインプラントに固定でき、外したい時に外せるという利点があります。通常の義歯と使用する時間は同じですが、使用している時には通常の義歯では体験できないほどの安定感、固定感を得られます。

下の写真が、義歯を装着した、最終的な口腔内写真です。患者様は、義歯が不安定で、不自由で辛い思いから解放されたと喜んで頂けました。

インプラントオーバーデンチャーは、「総入れ歯はどうしても不安定で困っているけど、固定式のインプラントはハードルが高い」と感じている方にとって、現実的で機能的な治療法です。

「もう一度、しっかり噛めるようになりたい」「入れ歯の不安から解放されたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
当院では患者さまのご希望や状態に合わせて、最適な治療方法をご提案いたします。

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