こんにちは。小林デンタルクリニックの院長 小林陽介です。
皆さんは、「インプラント治療の始まり」をご存知ですか?
今では一般的な歯科治療となったインプラントですが、その歴史は意外にも古く、60年ほど。実は、その記念すべき第一号の患者さんがスウェーデンにいらっしゃいました。
インプラント治療の父「ブローネマルク教授」
現在のインプラント治療の礎を築いたのが、スウェーデンの医学者ペル・イングヴァール・ブローネマルク教授です。
彼は1952年、動物実験中に偶然、チタンが骨と強固に結合して離れなくなる現象を発見しました。これが後に「オッセオインテグレーション(骨結合)」と呼ばれ、歯科インプラントの原理として世界に広まっていきます。
世界初のインプラント治療は1965年に行われた
その後、ブローネマルク教授はこの現象を医療に応用し、1965年に世界で初めてのインプラント治療を実施します。
治療を受けたのは、スウェーデンに住むヨスタ・ラーション氏(Gösta Larsson)という男性でした。
ヨスタ・ラーション氏の物語
ラーション氏は先天的な顎の形成異常と重度の無歯顎(歯がない状態)を抱えており、通常の入れ歯では十分な咀嚼機能を確保できない状態でした。
彼に対してブローネマルク教授は、チタン製インプラントを顎骨に埋め込み、人工歯を固定する治療を行いました。これが世界初の近代的インプラント治療です。
このインプラントは約40年間機能し続け、ラーション氏が2006年に亡くなるまでしっかりと働き続けました。
これは当時としては極めて画期的な出来事であり、現在のインプラント治療がいかに長期的かつ信頼性の高い治療法であるかを示す重要な実例です。
インプラントは手入れ次第で長持ちする治療法です
このように、インプラントは正しく管理すれば何十年にもわたって機能を維持できます。
実際に、定期的なメンテナンスと丁寧なセルフケアを継続することで、20年、30年と長く使い続けている患者さんも多くいらっしゃいます。
天然歯と同じように、インプラントも毎日のケアと定期的な歯科医院でのチェックがとても大切なのです。
まとめ
ヨスタ・ラーション氏の症例は、インプラント治療の歴史を切り開いた象徴的な出来事です。
今では技術も進化し、より安全で快適な治療が可能になっています。
インプラントは、しっかり手入れをすれば一生使える可能性もある頼もしい選択肢です。
ご興味のある方は、お気軽に当院までご相談ください。