歯周病などによって、骨がなくなってしまっても
条件を満たしている場合は、歯周再生治療で減ってしまった骨を回復させることができます。
今回のご紹介する患者様は、下顎前歯の部分的な骨欠損をお持ちの方でした。
まずは術前のレントゲン写真です。
赤く示した部分が骨がなくなってしまっているところです。ここは、正常だと3㎜以内の歯周ポケットも10㎜以上の値となっており、局所的に骨がなくなってしまっているのが検査結果から分かります。
左右に比較すとこんな感じです
ここにエムドゲインという歯周組織再生誘導材料を用いた、歯周再生療法を行いました。
まずは、麻酔を十分に効かせ痛みを感じなくしたところで、歯肉の切開、剥離を行います。
すると、骨がなくなっているところが見えてきます。ここには炎症性の組織がたまっていますので、これを徹底的にキレイにします。この出来が、治療の予後を左右します。
炎症性の肉芽組織を取り除いたところです。
実際に骨がなくなっているところが直視できます。
ここまで綺麗にしたところで、エムドゲインを用いていきます。
通常の手法ですと、エムドゲインのみを用いるのが一般的ですが、当院ではエムドゲインで歯根表面を処置するのと同時に、骨がなくなっているところに、エムドゲインと人工骨の混和物をパンパンに入れます。
これは、再生医療の3要素のひとつである、スキャホールドをこの場に提供するためです。ちなみにエムドゲインには、もう一つの要素であるサイトカインが含まれています。
術後のレントゲン画像です。
これも解説しますと、黄色で示した部分が、うっすら白っぽく見えるのが分かりますでしょうか。
これは、エムドゲインと人工骨の混和物です。
これも左右に並べたものをお見せします。
術前術後の比較です。
今は術後すぐなので、うっすらとした白色ですが、数ヶ月しますとしっかりとした骨ができ、レントゲンでも周囲と境が分からなくなるほど白く写ってくるでしょう。
患者様には、術後1週間で消毒と、抜糸にきていただきましたが、術後の痛みはほとんどなかったとのことでした。
当院では、歯周再生治療にエムドゲインを用います。
最近では、リグロスという薬もあります。リグロスは保険適用されており、安いというメリットはあるのですが、比較的スピーディーに承認を受けたためか、有害事象も報告されるようになっています。
エムドゲインはリグロスよりも歴史は古いものですが、過去有害事象の報告は全世界で0件です。
ですので、当院では歯周再生治療にリグロスではなく、エムドゲインのみを用いております。
エムドゲインによる歯周再生治療は健康保険が効かない自費治療で、1歯10万円(税別)となっています。
あなたよりも、あなたの歯にこだわるをモットーに、よりよい治療の提供を行なっています。
現在、ドクターによる保険診療の予約は取りづらい状況ですが、歯周再生治療だけでなく、インプラント、セラミックス、歯列矯正などの高度な自費治療のカウンセリングの予約は比較的取りやすい状況です。
お口の中で、お困りのことがございましたら、ご相談にいらして下さい。
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