インプラント治療を困難にしていた埋伏歯

こんにちは

小林デンタルクリニック 院長の小林陽介です。

 

今回は、インプラント治療の障害になっていた埋伏歯を抜歯して治療を実現した症例をご紹介します。

 

埋伏歯(まいふくし)とは、歯牙の全てまたは一部が、顎の骨や歯肉の中に埋まって出ていない歯のことをいいます。

今回は全てが埋まっている完全埋伏歯でした。

 

では、初診時のレントゲンを見てみましょう。

向かって右上が今回の治療箇所です。

分かりやすく色をつけてみます。

紫で示したのが、完全埋伏している犬歯です。そして、黄色で示したのが残念ながら抜歯になってしまった歯です。

黄色に示した歯を抜歯した後、患者様はインプラントによる歯の再建、修復を希望されました。

C T撮影を行うと、紫色に示した埋伏歯がインプラント埋入に際し、邪魔になっていました。

二つの画像を並べて示します。

C T画像でも埋伏歯を紫色で示します。

インプラントを埋入したい箇所に埋伏歯が横たわっているのが分かります。

 

患者様と相談し、埋伏歯を抜歯して骨造成を行い、抜歯箇所を回復させた後にインプラント埋入するという治療計画を立てました。

この埋伏歯はCTで確認すると、歯の頭が内側にあることが分かります。ですので、通常の抜歯ではなく、上顎の粘膜を剥離して、骨削を行い抜歯を行いました。そして抜歯と同時に骨造成を行い骨の回復を図りました。

抜歯後3ヶ月のCTを元にインプラントのシミュレーションをしました。

 

 

このように、当院ではインプラント治療の際に、三次元的に歯や骨の状態が分かるCT画像を用いてシミュレーションを行います。この症例では骨の回復が十分で、ストローマン社製インプラント BLT Φ4.1㎜×12㎜の犬歯の負荷に充分耐えうる直径、長さのインプラントを埋入することが可能と判断しました。

そのシミュレーションを元に正確にインプラント治療を行いました。

埋入直後のレントゲン画像が上です。骨内にしっかりと埋入できています。

この後、3ヶ月の待機期間を経てインプラントに接続する上部構造を作成しました。

このように、見た目も自然で、機能的な歯を製作することができました。

インプラント治療に際し、埋伏歯という大きな障害がありましたが、それを乗り越えて治療が完了できたことに、患者様もご満足していただけました。

 

今回の症例の様に、埋伏歯が骨内に横たわっていると、インプラント治療ができないと断られることがあります。

ここで大切なのが、埋伏歯をどうするかの判断です。今回は抜歯しましたが、抜歯せずブリッジによる治療を選択した方がいい場合があります。その判断を間違えると、審美性、機能性、耐久性が失われてしまします。

また、抜歯の技術、同時に行った骨造成の技術がないまま無理な抜歯を行うと、大きな骨欠損を作ってしまいます。

当院では、詳細な検査と、シミュレーションにより治療の可能性を模索します。他院でできないと言われた症例も、一度相談していただければ治療の可能性があるかもしれません。

小林デンタルクリニックでは、可能な限り患者様のご希望を叶えるよう配慮をした治療を心がけております。

お口の中のことでお困りの方、インプラント治療に興味のある方は、一度カウンセリングを受けていただくことをお勧めしています。

ドクター、スタッフ共々、誠心誠意治療にあたらせていただいております。

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